目的

 (1)空手道を通して礼儀や思いやりの心を養わせる。
 (2)空手道を通して運動の楽しさや厳しさ、体力の向上を図る。
 (3)空手道を通して根気や協力することの大切さを味あわせる。
 (4)沖縄空手道の伝統性とスポーツとしての空手との底辺を広げる。

方針について

 (1)練習時間のけじめをつけさせ、徹底した挨拶の指導をする。
 (2)練習や身なりをきちんとさせる。(空手道着の着用等)
 (3)保護者の承諾のもとに入会を認める。(未成年の場合)
 (4)入門者は障害保険に加入するものとし、稽古中の障害等についての
    保障は、保険の適用範囲としそれ以上の責任は負いません。

練習内容について

写真 成長期の子供達は、すべて一様に発達するわけではなく、それぞれが異なった時期に異なった器官が発育・発達します。
このことから、子供達の成長に合わせた練習プログラムを行っています。
個人差は有りますが、主な基本的な考え方は以下の通りです。 


(小学生)
 小学生の時期は、主に神経系が発達し、筋力や持久力は遅れて発達していきます。
 このことから、トレーニングは、神経系の強化を中心に、空手だけではなく、まんべんなく体全体の発育の中で、鬼ごっこやチーム間での競争等、遊びの要素を取り入れた色々な運動機能をバランスよく高め、総合的な体の発達を狙います。
(中学生)
 心臓や肺の機能が発達する時期なので、主に呼吸循環機能の発達を狙います。
(高校生)
 筋力トレーニングを取り入れ、筋肉をつけ最大パワーや最大筋力を高めます。

写真  (1)挨拶

 沖縄は「守礼の邦」と呼ばれており、沖縄で生まれた空手も、礼節を大切にしています。
 空手は、「礼に始まり、礼を以って行い、礼に終わる」とも言われています。
 道場では、挨拶や礼をする機会も多く、挨拶を指導することで、先生や一緒に練習する仲間、サポートして頂いている家族への感謝や相手を思いやる気持ちを育てます。  
 また、挨拶は人とのコミュニケーションをする上でも非常に重要です。道場だけではなく、家庭や学校でも挨拶することで雰囲気が良くなり、楽しく過ごせるようになります。  
○「礼三息」  
  礼は、上体を倒すとき息を吸い、倒して止めるときに吐き、戻すときに吸います。  
  これによって、丁寧な礼ができて、礼のタイミングが良くなります。  
  また、前に倒すとき息を吸うことで、胸郭が張り背中が曲がらず状態を真っ直ぐに保つことが出来ます。  
○正座の歴史  
  正座の歴史は、聖徳太子にまで遡り、喫茶の風習とともに、江戸時代になって畳の普及や身分制度、武士道の確立、仏教の一般庶民への浸透などとあいまって、正座が一般庶民に広まりました。

写真  (2)体操・ウオームアップ

羽地道場では、体操とウオームアップは時間を掛けて行っています。これは、ウオームアップと平行して基礎的な運動能力を高める為です。



<体操・ウオームアップの効果>

@体温の上昇による身体機能の効率化
  体温が上昇することで、筋肉への血流量が増大し、筋活動に必要な酸素や栄養素の供給が増えることで、筋肉が活発に働くことが出来ます。
A神経系の改善による動作の効率化
 これから行う動きをあらかじめ実施することで使用出来る筋線維の増加を促し、パフォーマンスを向上させます。  また、必要な動きを事前に行うことで、筋肉や関節の柔軟性も同時に獲得出来ます。
Bケガの予防
 事前に専門的な動きを実施することで、脳から筋肉への命令伝達を正確なものし、不意に起こるケガ等を防止します。  また、ウォームアップにより筋肉や関節の柔軟性を高めておくことで、運動中に起こる捻挫や肉離れを防止します。

<基礎的な運動能力の強化メニュー例>
@キャリオカやラーダーステップ等で俊敏性の強化を行い、スキップやクロスステップでリズム感を向上させ、体をコントロールさせる機能を高めます。
Aダッシュや片足飛びをすることで、循環器や脚力の強化を行い、基礎体力を向上させます。
Bチームで競争することで、ゲーム性が出て楽しくチームワークを育てることが出来ます。
C鬼ごっこでは、急停止や方向転換、ダッシュ、フェイント、心肺の強化等の多くの要素を楽しく行うことが出来ます。

写真  (3)基本稽古
基本稽古では、空手の基本的な「突き」「蹴り」の練習を行います。
運動するための筋肉(骨格筋)は、その働き方によって次の二つに分けられます。
@ 関節を伸ばすために働く「伸筋」
A 関節を曲げるために働く「屈筋」
空手の基本は、左右同じ様に「突く」「蹴る」等の伸ばす動作が多く、「伸筋」と「屈筋」を左右バランスよく鍛えることが出来ます。
得に膝の「伸筋」は、転倒予防や膝の保護では非常に重要であり、年齢と共に、衰えの大きい筋肉でもあります。
高齢者の方についても、空手は転倒予防等のケガの防止には有効な手段になります。

写真  (4)移動稽古
移動稽古では、基本稽古で行った「突き」「蹴り」を移動しながら練習を行います。
移動稽古は、足を動かしながら、腰、手を同時に動かすことから、バランス感覚や運動神経、基礎体力を向上させることが出来ます。
 (5)希望により、形と組み手の練習に分かれます。

形の練習について

写真 形は、空手の攻撃の技と防御の技を集約したもので、各流派の特徴が最も現れるものと思います。
劉衛流の特徴としては、一歩踏み込む間に、二回突くという一足二拳等があります。
形を繰り返し練習することで、空手の技の基本が身につき、必要な筋力や体力、精神面の胆力や精神力の鍛錬を行います。
形稽古は、いかに真剣にその技に没頭するかが主眼となり、その一つ一つの所作には伝統空手の様式美や深い意味、味わいがあり、「品格」や「気位」等が身につきます。

○形の種類について

練習では、劉衛流の形を中心に行います。
・二十四(ニセーシー)
・三十六(サンセール)
・十三(セーサン)
・巴球(パーチュー)
・黒虎(ヘイクー)
・白虎(パイクー)
・安南(アーナン)


組手の練習について

写真 組手は、全日本空手道連盟の競技ルール(寸止め)に基づいて行います。

国体や高等学校のインターハイ、中学校の部活動では、全日本空手道連盟の競技ルールが採用されていますので 学校の競技にも生かすことが出来ます。


また、組手は相手の動きに応じて突きや蹴り、防御やフェイント等を素早く判断して対応します。
これらは、反射神経や敏捷性、バランス感覚を高めるのに効果的で、神経系が発達する小学生の時期には最適と思われます。


(1)打ち込み
 組手の練習では、上段打ちや中段打ち、蹴り等の打ち込み稽古をします。 手と足のタイミングを合わせて練習します。
(2)組手の試合
 組手の試合では、相手にダメージを与える攻撃は禁止されていますが、安全の為に、ケンサポーターと呼ばれる拳を保護するグローブや頭部を保護するメンホー等の 多くのプロテクターを着用する必要があります。

古武道の練習について

写真 古武道は、「器具(武器)」を使用して攻防の術を習得するもので、
肉体的訓練を通して精神の統一、人格形成に役立ちます。
練習は、一般の部で、棒・サイを中心に行います。

棍(棒) : 公望の棍 ・カーティンの棍 ・リューリューの棍
釵(サイ): 一の段 ・二の段

○琉球棒術の歴史
 十五世紀初め尚巴志による三山統一以前には、各村落ごとに固有の棒術が按司(村落の主)によって伝承されていました。
 そうした村棒は、武術的要素と祭礼の儀式的要素を兼ねていました。
 その後、中国やアジア全域に及び交流の中で、さまざまな武具・武術が入り、沖縄固有の物と海外からの技法が融合し、王家に仕える人々が中心となって武術を研鑽して行きました。
 しかし、1609年の島津の琉球侵略を境に王家は衰退し、役職を剥奪され、村落に降りた武人達によって、王朝正伝の武術はいつしか庶民にも伝承されていきました。

○沖縄の棒術
 沖縄の棒術は、武術としての古武道の「棒」と沖縄の各地域に伝承され、年中の民族行事や信仰行事で演じられる「村棒」があります。  村棒は、豊年祭等で沖縄各地で身近に演じられています。
○起源
 (1)農具、生活具の棒を武器としました。
 (2)槍、薙刀の剣先を切り落とした武器が棒になりました。
 (3)中国伝来説:棒の両端に混という金属器具をつけて武器としました。そのなごりで棒を混(クン)と呼びます。
 ・ 劉衛流の棒は、棒の両端に金属器具をつけたものとなっています。
○長さ
 現在の長さは六尺が主流となっていますが、自分の身長に合わせた長さの棒や短棒等も有ります。
○材質
 クバやクルチ、樫があります。
○棒の型
 型の名称は、伝承者の氏名、地名、その特性などから命名されます。  

写真 釵(サイ):一の段 ・二の段
 釵という漢字は本来「かんざし」の意味で、形がかんざしに似ているので釵と表記されるようになったと言われています。
 釵は、琉球王国時代には大筑(ウフチク、警察署長)や筑佐事(チクサジ、刑事)などが携帯し、犯人逮捕や群衆の誘導に使われたとされています。
○釵の動作
 釵の動作は空手が基本となっており、左右の手に一本づつ釵を持って、打つ・突く・受ける・投げる等の技があり、形は棒を相手として想定されています。
 釵の動作で空手にない特徴としては、本手持ちと逆手持ちの持ちかえが有ります。
 持ちかえは、親指と人指し指の又の部分を中心に、手首を返すように持ちかえます。
釵の持ちかえは、形の中でも頻繁に行われます。釵に慣れてスムーズに行えるまで練習します。
○釵の形状
 釵の長さは、逆手持ちしたときに、肘より3cm程長いの良いとされています。
 釵は、中心より左右に広がる翼と呼ばれる部分が特徴的ですが、劉衛流では、外に広がらず真っ直ぐな物を使用しています。
 釵は逮捕等用途からか、その先端は、丸くなっており、尖った形状はしていません。
柄の部分はタコ糸を巻いてすべり止めとしていますが、バトミントンのグリップを巻いている方もいらっしゃいます。
○釵の購入
 釵は自分に合ったものを作るのが良いのですが、なかなか個別で製作して頂ける所は少なく、価格も高額になりがちです。
 市販の釵は、守礼堂等で販売しています。サイズはSMLの3種類有ります。

写真 櫂(エーク)
 水をかいて船を進ませる道具を沖縄の方言で「エーク」と呼びます。
 エークでは、波切りの部分で相手に砂をかけ目つぶしをやる技もあります。

参考文献:沖縄空手道・古武道の真髄